ブドウの葉をモチーフに、人類8000年の歴史における宗教・戦争・権力の記憶を超越し、「平和」そのものを神格化した空間として構想されたスペキュラティブ・アーキテクチャである。
葉脈の構造は、これまで分岐し対立してきた人類の歴史を象徴しながらも、最終的には一つの中心へと収束する構成をとる。壁・天井・柱は連続する有機的な層として積み重なり、まるで巨大な葉の内部に包まれているかのような空間体験を生み出す。
純白を基調とした空間は、あらゆる価値や対立を一度浄化し、再構築するための“無垢な場”として機能する。柔らかく拡散する光は、葉を透過する光のように空間全体を満たし、物質的な重さや時間の痕跡を希薄化させる。そこにはもはや対立の記憶はなく、静寂と均衡のみが存在する。
中央に配置された円形のテーブルは、儀式的かつ象徴的な場として、対話・共有・和解の中心となる。ここでは権力は競合するものではなく、調和の中で再定義される概念として扱われる。
本計画は、ブドウの葉という生命の象徴を通して、歴史の重層性を受け止めながら、それを浄化し、最終的に「神格化された平和」という新たな空間価値へと昇華する試みである。